情報的遺産としてのミュージカルバトン

これははてな百選のときにも思ったのだけど、やりようによってはこのバトンもの、個人の嗜好を残す遺産になり得るのじゃないかと思った。
正直、一つ一つわざわざ見ていった(悪いか)けど、個人それぞれ好みや熱いパッションがあって、大体が一コンテンツとして面白かったりする。普段はだらけた日記を書いているところでも、わざわざジャケットなんかUPして、いやいやながら実は参加者の多くが楽しんでいるじゃないかと文章から感じられた。私があれほどまで嫌っていた「バトンの受け渡し」にすら、個人の性格が現れて時には腹も立てながらもさじを投げることなく最後まで読めた。

それでちょっと思い出したのが、リレー小説やサウンドノベルの類だ。

はてな百選の流れをリレー小説にたとえれば、バトンものは時に分岐があるサウンドノベルのような気がする。後者のほうはある意味ネットワーク社会でなければ成立が困難なイベントだっただろう。だから、いざ書籍化となると後者のようなタイプは出版形態が難しいかもしれない(まあ、はてな名盤百選・出版化のときにも著作権の件ですったもんだあったらしいから、この手の書籍化は困難なのかもしれないけど)。
でも、百選の時のラインナップを見たときのあのデータバンク的夢想を感じたのは私だけではあるまい。たとえ、声は小さくとも、これが好きといえるもの、電通系マスコミに躍らされない(踊らされてもそれはそれでいいんだけど)本当に好きなものの集大成というのはどことなく魅力の高いコンテンツであるような気がする。

で、何が言いたいかというと、とめてもいいからサイトが閉鎖になっても、バトンの記事は残してほしいなということ。found404で後から読めなくなるのは結構興ざめだ。